B.G.A 14年、伝説的生物の発見に対する熱は高まり、神国にいる古代学と古生物学の採掘者たちは、土地に眠る“古代の野獣”の発見を目指していた。彼らは骨を見つけると研究し、その後最高入札者に高値で販売した。特に野獣を見つけることができない外国のバイヤーと商売を行う者にとっては、非常に儲けのいいビジネスだった。
ある採掘チームは、“龍の頭”というコードネームのついた遺物のかけらを探し回っていた。ヤマトの首都キモノに存在した龍の頭蓋骨と思われるものだ。
一日中、作業員たちは龍と思われる野獣の骨を果敢に探し続けた。古代の石板に書かれた伝説的生物の物語を、メディアはその昔地球を支配した神として取り上げた。別の場所では、科学者たちは古代の文献から、神は複数いたのではないかと考えていた。深く掘り進めるにつれて、より多くの証拠が発見されていった。
日が経つにつれ、すべての場所は採掘されきったかのように見え、パズルの小さなピースを見つけるのは困難になっていった。休暇によって、作業員も不足していた。
ある夏の夜、スーパーバイザーらしき採掘者がチームメンバーに、休みをとって、休暇後に戻ってくるように伝えていた。長いブロンドの髪をした美しい女性で、実験用の作業着を着てゴーグルを装着し、手にはヘルメットを持っていた。作業員が全員帰るのを見届けると、彼女は自分の仕事を終わらせるために、近くの簡易オフィスに残った。そして節電のためにスポットライトの電源を切った。
その時、明るく照らされた物体が夜空に輝き、地球へと向かってきた。それは計り知れない速度で宇宙を進み、流れ星のように見えた。物体を包むオーラは凶暴な炎のようで、大気を突き破って進んできた。
突然、光の筋が採掘場の中心に流れ込み、その物体が音も立てずにとてつもない力で地球へぶつかった。地面は大きく揺れ、衝突の衝撃によって巻き起こった強風があたり一面に広がった。埃が消え去り、ガラスは砕け散った。
光り輝く中、小さな光の筋がレーザー光線のように溢れ出し、薄い空気に消えていった。オフィスで帰る準備をしていた女性は、部屋に飛び込んできた破片を避けるためにテーブルの下で身をかがめていた。
刺すような痛みを感じて彼女が手を見てみると、火傷や切り傷があった。手のひらの傷からは血が滴り落ちていた。一瞬腕の切り傷を心配したが、それよりも火傷の跡が気になった。彼女は痛みを振り払いながら自問した。
「何が起きたの?どうやって火傷したのかしら。」
外から輝く光に魅了され、光に取りつかれたかのように彼女は窓に向かって歩き出した。いくつかの光線は速く動き、またいくつかはゆっくりと動いていたが、どれも数メートル先の上空で消えていた。彼女は様子を調べるために部屋の外へ急いだ。
彼女は光の発生源を見つけようと、離れた場所にある上部から下を覗き込んだ。凶暴だった風はすでに穏やかなものへと落ち着き始めていた。光が落ち着いてくると、衝突の中心地を特定することができた。作業員たちは数時間前に帰ってしまっていたので、彼女は自分で確認しに行くしかなかった。ロープと木でできた簡易ハシゴを使って、注意深く人工の崖を降りていった。
「これは大変なことになるわね」
降りるのは容易ではなく、理想的な方法とは言えなかったが、爆破により歩道がすべて破壊されたため、ほかに手段はなかった。やっとのことで地面に降り立つと、彼女は衝突の起きたエリアから反響しながら輝く光に向かって駆け寄った。地面は柔らかい砂浜のようにも、波打つ水のようにも見えた。彼女は目的地に着くとつまずきそうになったが立て直し、目の前の光景に息を飲んだ。
ショッキングなことに、ほぼ全裸の男が、衝突の中心地に横たわっていたのだ。さらに驚くべきことに、男性は白い炎のようなオーラに覆われ、そこから光の筋が溢れ出していた。
彼女は彼が知り合いではないことを祈りながら、男の生死を確認した。この不思議な男性は細身で日焼けし、髪は銀色、こわばった顔をしていて、歳は彼女と同じくらいのようだった。
「そんなばかな!」と彼女はショックを受けた。
「どうやって彼はここに来たのかしら。こんなことってあり得るの?」
彼は白い炎に包まれていたが、周りの空気は穏やかで冷たく感じた。まるで彼のオーラが、彼女をここに導いたかのようだった。オーラを傷つけないようにそっと手を入れ、彼の首と手首に触れて脈を確認した。驚くべきことに、彼は生きていた。
「宇宙人には見えないわね。もしかして…」
急いで彼の体を確認すると叫んだ。
「天使かもしれな!でも羽はどこに行ったのかしら」
するとオーラが急速に弱まり、男が死んでしまうのではないかと思った。彼女は急いで考えを巡らせた。この素晴らしい出来事が現実に起こったとは信じられなかったし、せっかく生き残ったというのに、彼は死んでしまうというのか。そして自分の作業着で彼の体を覆った。その直後、自分の手がすっかり治っていることに気づいた。
「まさか!」彼女は驚嘆の目で、手を覆う光が傷を治していくのを見つめた。一瞬あぜんと固まっていたが、すぐに男を抱き起こし、目を覚ますことを願った。
オーラは完全に消えてしまったが、彼は眠ったままだった。そして彼が非常に軽いことに彼女は気づいた。
「信じられないわ」男を背中に抱えながら言った。
「小さい子供くらいの体重しかないじゃないの」
彼女が一歩踏み出した時、冷たい空気が彼の口から出てきて彼女の首をくすぐった。彼女は一瞬立ち止まったが、またすぐに歩き出した。
彼女は使えそうなトラックを見つけた。窓にヒビが入っていたが頑丈そうで、塗料が所々はげていた。軽々と男をシートに降ろすと、シートベルトで固定した。車を動かそうとしたが、なかなかエンジンがかからない。
「あなたは誰なの?」と気を失ったままの男に声をかけた。イグニッションのキーをもう一度回し、ハンドルを叩くと、車はやっと動き出し、彼女はこの天から降ってきた見知らぬ男を助けてくれる人が見つかることを願いながら、走り去った。
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